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東京の空は泣いている。雨がしとしと降っている。都内の某大学に通うK(仮名)は、学校帰りに夕食の買い物を済ませ傘もささず足早にマンションへと向かった。マンションに近づくにつれ妙な胸騒ぎを感じたが、夕食のチャーハンの事を考えると自然と笑顔だった。彼はその笑顔が後に恐怖に凍りつく事を知るわけも無かった。
部屋は四階だった。階段を一段昇るたびに、胸騒ぎは無視できない位激しくなっていった。もうチャーハンで笑顔になる様なレベルの胸騒ぎではなかった。部屋の前に着いた。「一体何だってんだよ…。」彼は、その胸騒ぎが単なる気のせいだと自分に言い聞かせるかの様に、わざと激しくドアを空けてみた。 …そこにあったのはいつもと変わらない、雑然とした玄関だった。しかし彼の心の中に安堵の二文字は、無い。なぜならばそこにはどうゆうわけかいつもと違う雰囲気があったからだ。何かが不自然だ。「…。ま、いっか…。」彼は恐怖心を隠す為に鼻歌を歌いながら、取りあえず台所で買ってきた物を袋から出し始めた。 「!」突然、背筋がぞくっとした。背中は第六感を感じ取りやすい。何かがいる、すぐそばに!彼は恐る恐る、気配のある方へ目を向けた。 その気配の正体は彼のすぐ背後にいた。黒い影。彼はいつの間にか鼻歌を止め、口を震わせながらやっとの事で言葉を発した「お前は…この前死んだんじゃなかったのかよ…?」 そこにいたのはかつて彼が想像の及ばぬほどの虐待を加えた末水没させた、クロゴキブリだった。「こ、こりゃでかいな…。」その風貌は、もし角があったならカブト虫と間違ってゼリーを与えてしまいそうな程堂々としている。光沢のある黒、そして風の抵抗を極限まで抑えたその機能的フォルムはまるで台所を駆け抜ける六輪駆動型フェラーリだ。物色する生ゴミも、何故か肉じゃが限定らしい。恐らく白金からの抜けゴキであろう。「お高くとまりやがって。」 とその時!シロガネーゼが空きビンと壁の間に身を潜めた。目を凝らして見なければ、その擬態には気づかない。完璧な隠れ身の術…さすが白金の里からの抜けゴキだ。だがKはとっさに壁とビンでフェラーリを潰す事を考えた。彼は一度国道246でヤン車とガードレールに挟まれた経験があるためにこの作戦を思いついたのだ。必殺アサシンウォール。しかし奴は予想以上に巨大で、潰せば間違いなく、ぶちゃってなって中から変なのが出てきそうだったので、結局は三鷹流忍術ファミリージェルで決着をつけることにした。ぷちゅ フェラーリは突然暴走し出した。いやこいつはフェラーリじゃない!この暴れ方は暴れ牛ランボルギーニだ!奴はフライ返しの上や、塩の上をもがき苦しみながら走っている。それには正直彼はちょっとへこんだ。まるでパンクした車でのカーチェイスだ。勝負は見えていた。ランボルギーニは遂にエンジンを切り、永遠の眠りについた。 6月11日午後10時24分 クロゴキブリ 死亡 「もっと逃げ方はあったのに最後までプライドにこだわりやがって…お前かっこいいぜ。」ここに二次三鷹戦争は終結した。 缶
by noodles0908
| 2005-04-15 07:59
| 戦闘
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